第4回『乾燥炉の“頭脳” バーナーコントローラーのしくみ』
こんにちは!ニイミ産業の砂田です!
第2回、第3回でバーナーの安全装置について学びましたが
仕組みや役割について理解は深まりましたか?
まずは前回、前々回の振り返りから始めましょう!

これらの装置で炎がついているのを確認しています。
もちろん炎がついていなかったら燃焼を止めるよう指令を出します。
そうやって指令を出し燃焼を制御しているのがバーナーコントローラー(プロテクトリレー)です。
バーナーコントローラーも安全装置の一つで、これがないとバーナーは動きません。
この装置こそが、設備トラブルや事故を防ぐ“安全の要”といえます。
第2回でも少し触れていますが、今回はこちらを深堀しようと思います!
※バーナーコントローラーはプロテクトリレーと同じ機能(燃焼装置の安全制御)を持つ装置です。
この記事ではバーナーコントローラーに名称を統一してご紹介していきます。
バーナーコントローラーとは?
バーナーコントローラーは、バーナーの燃焼を点火から運転までの全体を制御する装置です。

上の画像のように制御盤の中に入っています。
人間がいちいちバルブをひねったり、炎を確認したりしなくても、バーナーコントローラーがすべて判断してくれます。

第2回で紹介したこちらの図のように安全に燃焼するための必要な要素をすべて確認し、クリアすれば点火するような指示を出すのです。
バーナーコントローラーの役割
① 自動点火
乾燥炉を起動すると、コントローラーが
・送風(エアー)の取り込み開始
・ガス供給の確認
・点火装置の動作
を順番にチェックしながら、安全な状態で点火します。
② 炎の監視(フレームチェック)
バーナーについている「炎検知装置(フレームロッド、UVセンサーなど)」を利用し
炎が正常に出ているかを常に監視します。
もし炎が消えてしまったら、ガスが出続けるのは非常に危険です。
そのため、バーナーコントローラーは瞬時にガス供給を遮断して燃焼を停止します。
③ 安全制御(インターロック)
設備が安全に動作するためには、
・送風がしっかりあるか
・ガス圧が適切か
・温度が異常に高くないか
といった条件を満たす必要があります。
これらが満たされなければ、バーナーは動作しません。
これを インターロック と呼び、事故や装置の破損を防ぐ重要な仕組みです。
④ 異常時の自動停止
圧力異常などのトラブル発生時には、バーナーコントローラーが自動で停止し、危険を最小限に抑えます。
バーナーコントローラーはこれら4つの役割を担っています。
ではなぜバーナーコントローラーが必要なのでしょうか?
乾燥炉の運転は「見えにくい火」を扱うため、トラブルのリスクを人間だけで管理するのは困難です。
バーナーコントローラーを使うことで、
・事故リスクを低減
・装置の寿命を延ばす
・省エネ運転が可能になる
・安定した生産品質を維持できる
といったメリットが得られます。
まさに、乾燥炉を安全・効率的に運用するための「頭脳」といえる装置なのです。
トラブルが起きたときは
トラブルが起きるとバーナーコントローラーは停止の指令を出し稼働は止まります。
その際は制御盤の扉を開け、リセットしないと通常稼働には戻りません。
ものによっては異常時にランプが光ったり点滅したり、止まった原因を表示してくれるものもあります。
トラブルの原因を解消しリセットすると通常通り稼働します。

また、バーナーコントローラーが劣化して稼働しない場合もあります。
バーナーコントローラーも機械なので故障することもあります。
使用期限が決まっているわけではありませんが急に使用できなくなることもあるので、
そんなときに備え予備品を持っておくことも安定稼働につながります。
今回のまとめ
では、今回のまとめに入ります。

乾燥炉が安全に、安定して、効率よく稼働するための 頭脳 といえる存在です。
燃焼の安全性は、生産品質や設備寿命にも直結します。
弊社で行っているバーナーメンテナンスではこういった安全装置を含め、適切に稼働しているかのチェックも行います。
気になる方はぜひ下のURLから過去のメンテナンス実績をご覧になって下さい!
https://www.niimi-s.co.jp/ie/works/
この記事が、バーナーコントローラーの重要性を理解するきっかけになれば幸いです!
ではまた次回お会いしましょう!


