はじめに
バーナーは、ガスや油などの燃料を燃焼させて、熱エネルギーを効率よく取り出す装置です。
家庭用のガスコンロから、工場の加熱炉、ボイラー、さらには金属加工や塗装乾燥などの産業設備まで、私たちの生活と産業のあらゆる場面で活躍しています。
しかし、ひと口に「バーナー」といっても、燃料の種類・燃焼方式・使用環境によって構造や制御方法が大きく異なります。ここでは主に産業用の(ガス)バーナーの基本的な構造について説明します。
バーナーの基本構造
バーナーは大きく分けて、次の4つの要素で構成されています。

A. 燃料供給部
燃料(ガスや油)を適切な圧力・流量で送り出す部分。
ガスの場合は調整器や流量制御バルブが使われます。
B. 空気供給部(送風部)
燃焼に必要な空気(酸素)を供給。
自然吸引型と、ブロワーなどで空気を強制的に送る強制送風式があります。
C. 混合部
燃料と空気を混ぜる部分 ※上記、A及びBが交わる部分。
混合の比率(空燃比)が燃焼効率や炎の温度に大きく関係します。
D. 燃焼部(火口)
着火し、安定して燃焼させる部分。
炎の形状を制御するディフューザーやノズル設計がポイントです。
燃焼の基本原理
バーナーが発する「炎」は、化学反応の結果として生まれるものです。
当社が主に扱う燃料、プロパンガス(C₃H₈)の場合、燃焼反応は以下のようになります。
燃焼が完全に行われれば、青い炎になります。一方で酸素(O₂)が不足すると「不完全燃焼」となり、 一酸化炭素(CO)やスス(C)が発生し、効率が落ちるだけでなく危険にもなります。
関連記事:バーナーが「不完全燃焼」する原因と対策。工業炉バーナーメンテのプロが解説─
バーナーの種類と特徴
バーナー、空気供給部の違い(バーナーの基本構造、B)によって、大きく2つに分けられます。
①自然吸引式
②強制送風式(ガンタイプ式)
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| ① 自然吸引式 |
|
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| ② 強制送風式 |
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①自然吸引式 と ②強制送風式(ガンタイプ式)をさらに区別すると、下のパターンに分類できます。
①自然吸引式
ベンチュリーバーナー

〈メンテ実績より画像を引用〉バッチ炉 ベンチュリーバーナー メンテンナンス
ガスと1次空気が混ざった混合気が、バーナーヘッドで点火及び燃焼するバーナー。
〈特徴〉
●構造は単純なため操作・清掃が安易にできる。
●セラミック製の場合、鉄分が出にくい。
●ステンレス製の場合、熱膨張で割れにくい。
●炉圧が変化しても、失火しないために袖火を作る、炎が安定する。
●窯業(ガス窯)で採用されるケースが多い。
リングバーナー (自然吸引型)

〈メンテ実績より画像を引用〉桂精機製作所 リングバーナー メンテナンス
短時間で高い熱量を与えるために設計された円形のバーナー。
〈特徴〉
●短時間で高い熱量を与えるために設計された円形のバーナー。
●業務用厨房、給食センター、製菓業で採用されるケースが多い。
シュバンクバーナー

〈メンテ実績より画像を引用〉シュバンクバーナー メンテナンス
ガスを燃焼させセラミックプレートを赤熱させ、赤外線を放射することで非接触加熱を行うバーナー。 ※一部、強制送風式のパターンもあり。
〈特徴〉
●非接触加熱を行うので、対象物に直接炎を当てずに加熱できる。
●設置が容易で、様々な装置に組み込みやすい。
●赤外線が食材や食品の芯まで浸透し、表面を焦がさずに均一に焼き上げることができるため、食品工場や乾燥用途で採用されるケースが多い。
棒バーナー (別名/ラインバーナー)

〈メンテ実績より画像を引用〉正英製作所 ミニフレームバーナー メンテナンス
ベンチュリーミキサーを用いて、棒状の筒に空いた穴から燃焼させるバーナー。
〈特徴〉
●広範囲に均一に加熱させることができる。
●食品工場の加熱用途で採用されるケースが多い。
●また、窯業の乾燥用途でも使用される。
② 強制送風式(ガンタイプ式)
ガンタイプバーナー

〈メンテ実績より画像を引用〉桂精機製作所 ガンタイプバーナー メンテナンス
「ガン(銃)」のように、燃料を前方へ勢いよく噴射するバーナー。強制送風ファンを備え、燃料と空気を高圧で混合して安定燃焼を実現します。製造業などの産業用バーナーとしては主流のバーナー。
〈特徴〉
●強力な火炎、直進性が高い。
●空気量と燃料(ガス)量を制御できる。
●自動着火・燃焼制御などシステムを組み込みやすい。
●ボイラー、乾燥炉、鋳造炉など多岐にわたる。
ダクトバーナー(別名/熱風発生装置)

〈メンテ実績より画像を引用〉ダクトバーナー メンテナンス
ダクト内部に設置され、ガスを燃焼させて熱風を発生させるバーナー。
〈特徴〉
●ダクト内に直接取り付けされ、設備一体型でコンパクト設計。
●ダクト内で直接空気を加熱するため、効率が良い。
●乾燥用途で採用されるケースが多い。
浸管バーナー

〈メンテ実績より画像を引用〉浸管バーナメンテナンス
主に液体を間接加熱させるバーナー。燃焼ガスを通す管を液体に浸して加熱する。
〈特徴〉
●メッキの前処理の工程として採用されるケースが多い。
点火フロー(一般的なダクトバーナーの場合)
バーナーのトラブルには、不着火、失火、ガス漏れなど様々な症状がありますが、事前に点火フローを知っ ておくと、トラブルの解決につながります。
1. ガスバルブを開ける(ガスフロースイッチON)
※ガスフロースイッチ≒圧力スイッチ
2. 循環ブロワー、燃焼ブロワーON(エアーフロースイッチON)
3. (エア圧およびガス圧)正常ランプ点灯
4. 準備完了ランプ点灯 → 点火ボタンON
5. コントロールモーターON
※最小の位置で停止
6. プレパージ開始(パージタイマーに通電し、一定時間パージが始まる)
※一定時間ブロワーのみを回転させ、ダクト内の空気を交換
※ガス滞留状態での点火を防ぐための安全対策
7. パイロットバーナー用ガス電磁弁ON
(パイロットバーナーへガス供給)
8. 点火トランス通電 → スパークON
9. パイロットバーナー点火
10. 炎監視装置によるパイロット炎の確認
(ウルトラビジョン または フレームロッド)
※点火中は常時監視
11. メインバーナー用ガス電磁弁ON
(メインバーナーへガス供給)
12. メインバーナー点火
13. コントロールモーターON
※開度が徐々に上昇
14. 稼働中
15. バーナーOFF(稼働終了)
16. アフターパージ
まとめ
バーナーは、燃料を効率よく熱エネルギーへ変換するための装置であり、燃料供給や空気流量の制御、点火、安全制御など、さまざまな技術が組み込まれています。
中でも「点火フロー」を少し理解しておくだけでも、日常の設備保全やトラブルの早期発見に役立つことがあるので、ぜひ押さえておきたいことです。
また、バーナーのメンテナンスはバーナーや炉を安全かつ効率的に使用するため、そして設備を長く安心して使い続けるために欠かせません。定期的な手入れや点検を怠ると、ガス漏れや不完全燃焼などの重大な事故につながる恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、計画的な定期メンテナンスをおすすめします。
なお、今回ご紹介した「3.バーナーの種類と特徴」の章では、当社のメンテナンス事例へのリンクも張っております。当社ではこれまで数多くの設備トラブル対応を手がけてまいりましたので、設備のメンテナンスやトラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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