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第3回『ウルトラビジョンの役目って何?』

こんにちは。初めまして!

ニイミ産業入社2年目の砂田です!


安藤から引継ぎスタッフブログを再開しました!


日々ガスや設備の知識を深めながら業務に励んでおりますので


このブログを通して読者の皆さんのお役に立てる情報を発信できるよう頑張ります!

 

少しですが自己紹介させていただきます!

 



それではまず前回のおさらいから始めます!


第2回ではバーナーコントローラーについて触れました。


バーナーコントローラー(プロテクトリレー)は燃焼設備の心臓部ともいえる安全装置で、


基本的な燃焼設備の点火フローを電子制御してくれています。

何か異常が起きた際に燃料供給を止める指令もこちらで行われています。


燃焼を検知するセンサーと組み合わせることで

燃焼プロセスを監視し効率的かつ安全に制御することが可
能です。

 

次に前回のメインテーマフレームロッドのおさらいです!


フレームロッド炎の導電性(電気を流す性質)を利用して、炎を検知するセンサーの役割をしています。


電気を流しやすい性質であるということを活かし、炎内に発生した電子が移動することで

フレームロッドに電気が流れます。


炎から⊖電子フレームロッドに流れ、

その電流をバーナーコントローラーで検知することで

炎がついていると判断し燃焼状態を維持しています。


この組み合わせで安全確認をしながら燃焼設備を制御しているというのが第2回のお話しでした!

 

それでは第3回目のテーマ『ウルトラビジョンの役目って何?』の話に進みましょう!

題名

 

 

「ウルトラビジョン」とは、紫外線を使って炎を検知する安全装置のことです。

 

炎が燃えているときには、目に見えるだけでなく紫外線も発生しています。


ウルトラビジョンはこの紫外線をキャッチして、炉の中に“ちゃんと炎があるか”を確認しています。

図のような感じで、パイロットバーナーの炎から確認し、

 

 

 

 

メインバーナーも点火!

炎を検知し燃焼状態を維持します。

仕組みはこんな感じです!



もう少し詳しくウルトラビジョンの特徴、すごさをお伝えします!

 

①紫外線センサーで炎を検知


 紫外線は炎が消えると同時に途切れるので、非常に正確です。

 

②素早い応答性


炎が万が一消えてしまったときでも、瞬時に検知し燃料供給を止め、事故を防ぎます。

 

③誤作動が少ない


赤外線方式と違い、炉の輻射熱や周囲の温度変化に左右されにくいのが強みです。

 


では、前回のメインテーマであった、フレームロッドとは何が違うのか…


フレームロッドウルトラビジョンと同じく炎を検知する安全装置ですが、

仕組みや得意分野に違いがあります。

以下の図で比較してみます!

項目 ウルトラビジョン フレームロッド
検知方式 紫外線(UV)で炎を検知  炎の導電性を利用して電流を流すことで検知
反応速度 非常に速い やや遅い
誤検知耐性  光(赤外・可視)に影響されにくいため誤作動少ない 汚れ・電気的ノイズに弱く誤作動しやすい
設置位置

炉の外側に取り付け、炎と非接触で検知できる 

炉内に直接ロッドを挿入、炎に触れていないと検知できない
耐久性 使用期限あり(5年または25,000h) ロッド自体はシンプルだが、炉内環境で消耗しやすい
メンテナンス レンズ清掃、交換期限管理が必要 炉内に挿入するため煤・腐食で定期清掃・交換必要
主な用途 大型・高熱工業炉 家庭用ガス機器、小型バーナー
コスト 高価(高機能センサー)  安価(構造が簡単)
特徴まとめ

高精度・高信頼。

大型炉の安全監視に最適。

低コスト・シンプル。

小規模用途に適する。

 

両者の違いが分かってきましたか?

実はフレームロッドが一番取り付けられているのは、家庭用のコンロなんです!


よく見るとコンロの火口の所に白い棒が出ていますね。

これがフレームロッドです!


構造がシンプルで安価なため量産しやすく、

コンロや小型ボイラーなど比較的コンパクトなものに使用されることが多いです。

もちろん工業炉のバーナーにも使用されますが、

炉内の温度や大きさなどにより使い分けられていることも多いです。


ウルトラビジョンはというと、直接炎に近づけるわけでなく非接触で検知できるため耐久性は高いです。

そのため大型・高温の工業炉に使用される場合が多いです。


炎からの紫外線にのみ反応するため誤検知も少なく安定して使用が可能といわれています。

ただ!

そんなウルトラビジョンも誤った使用をすると安全装置としての機能を発揮しなくなります。


ウルトラビジョンの大きな特徴として、使用期限・使用時間が設けられているということを

忘れてはいけません!

いずれか先に到達した時点使用期限となります!


つまり、その期限を超えて使用すると劣化などにより本来の機能を果たせなくなる恐れがあるということです。


使用期限を守り使用いただくことでウルトラビジョンによるトラブルを防ぐことができます!


ではここで、ウルトラビジョンで起こりうるトラブルについて深堀していきます。

 

レンズ・センサー部の汚れ


炉内の煤、粉じんなどが付着すると光を遮って炎を検知できなくなることがあります。

 


写真のような感じで煤が溜まっているケースは多々あります。

清掃をすることで検知が可能になるので、

バーナーの火がついているのになぜか失火する…

ということがあれば、もしかしたらここが原因になっていることも考えられます。

定期的に清掃することで、こういったトラブルを防ぐことができます!

使用期限切れ


先ほど触れたように、使用期限(5年 or 25,000時間)を超えて使い続けると突然の検知不良につながります。

清掃するタイミングでウルトラビジョンに貼付されている使用期限を確認してみてください。


また弊社で販売しているリジェネ溶解炉では制御盤でバーナーの使用時間を確認することができます。

こちらを目安にウルトラビジョンを使用していただくのもトラブルを防ぐ手立てになるかもしれません。

 

経年劣化


上記2つ原因が当てはまらない場合、電子部品ケーブルの劣化による誤検知・無検知が考えられます。

使用期限内かつ、清掃されており検知部もきれいで問題なければ、

一度専門業者、メーカーにお問い合わせください。

 

設置環境の問題


炎の紫外線で検知しているウルトラビジョンですが

検出範囲外になる位置に取り付けられるとうまく検知ができず誤検知につながることもあります。


また、強い外乱光(溶鋼の輝きや反射光)が入り込んで誤検知することも考えられます。


清掃などのメンテナンス後は、元々取り付けられていた箇所に確実に設置できるようお気をつけください。

 

温度・振動の影響


フレームロッドと比較すると高温強いと言われていますが、

あまりにも高温であったり強い振動が続いたりすると内部部品がダメージを受けてしまうことがあります。


熱や振動でのトラブルを防ぐために取り付け箇所を見直したり、

ウルトラビジョンが高温にならないように冷却ファン取り付けたりするケースもあります。

 

いかがでしょうか‥‥?

 

これらに注意して扱わないと、本来の安全装置としての機能を発揮せず、失火や事故につながりかねません。

第2回目からお伝えしているバーナーコントローラーフレームロッド

そしてウルトラビジョン仕組み正しい使用方法を理解することで

安全装置としての役割を発揮し、工場の安定稼働につながります。

 

では今日のまとめです!

 

ウルトラビジョン工場の燃焼設備、そこで働く人々を守ってくれている安全装置ということです!

第2回、第3回で燃焼設備安全装置についてお伝えしました。


ただ、定期的に点検や清掃をしてくださいと言われても、

なかなか時間を作るのが難しかったり、

どこをどう触ったらいいかわからなかったりしますよね…

そこで頼っていただきたいのが弊社のメンテナンス部隊です!!


燃焼設備の細かいところまで、点検しデータを残し、

さらにバーナーやブロアの分解清掃をすることで

設備を少しでも長く、安全にご使用いただけるよう取り組んでおります。

これまでに取り組んできたメンテナンスの事例もたくさんアップしておりますので


是非ガロプロHPの事例をご覧ください!

https://www.niimi-s.co.jp/ie/works/

 

私も先輩方に教えていただきながらバーナーの分解清掃などメンテナンスにも携わっております!

ご不安な点がございましたら、ぜひご相談ください!