「バーナーの火が点かない…」と、お悩みの方へ
例えば、
- 「スタートボタンを押しても、火がつかない」
- 「ファンは回るけれど、その先に進まない」
LPガスバーナーが稼働しようとしているのに、最初の火がつかない。これを「不着火(ふちゃっか)」と呼びます。
本記事では、LPガスバーナーにおける不着火の原因を「パイロットバーナー(種火)」と「メインバーナー」の段階に分けて解説します。
まずは「燃料」「空気」「電気」のどこが欠けているか、バーナーの仕組みついて解説した記事の点火フローに沿って確認していきましょう。
点火フロー
一般的なダクトバーナーの点火の流れは、以下のようになっています。
バーナーが点火動作に入る前に、すべての安全条件が満たされているかをバーナーコントローラが確認します。
炉内や煙道に溜まっている可能性のある可燃性ガスを、燃焼用空気ファンを回して完全に追い出す工程。
まずは小さな「パイロットバーナー(種火)」に点火します。
確実な種火がある状態で、定常燃焼へ移行します。
定常燃焼中も、バーナーコントローラは以下の項目を常時監視しています。
パイロットバーナー(種火)がつかない「不着火」の原因
点火後、プレパージ(空気の入れ替え)までは進むが、最初の種火がつかないケースです。
燃料(LPガス)が来ていない
基本中の基本ですが、ここが原因のことがよくあります。
LPガスの供給バルブが閉じている
LPガス供給のバルブを閉めて設備稼働を終了される工場においては、設備立ち上げ時にガス供給バルブを開け忘れていることがあります。
LPガス供給設備の不調
燃料供給大元のペーパーライザー(強制気化器)の故障や、調整器の不良、電磁弁が故障して開いていない可能性があります。
バーナーガスノズルの詰まり
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)桂精機製作所 熱風発生装置 メンテナンス
バーナー内部のガスが出る穴(ガスノズル)が詰まっていると、適切な燃料が得られず火がつきません。
空気が来ていない
燃焼に必要な空気が供給されていない、または「来ている」という信号が出ていない状態です。
機器の故障
〈「工場改善」データベースより画像を引用〉循環ブロワーやファンの異音の原因と解決方法
ブロワーの故障、フィルターの詰まり、ダンパーやコントロールモーターの故障により、空気の流れが止まっている可能性があります。
安全装置の不良、空気漏れ
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉オリンピア工業(株) ガンタイプバーナー メンテナンス
風量を検知するエアーフロースイッチの故障により、点火しないケースです。また、配管上の空気漏れがないかも確認が必要です。
点火系(電気・スパーク)の問題
ガスと空気は出ているのに、「火種」となる火花が飛ばないパターンです。
点火トランス・スパークロッド、スパークプラグの不良
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)加藤鉄工バーナー製作所 ダクトバーナー メンテナンス
点火トランスの故障や、スパークロッド(点火棒)・スパークプラグの汚れ・故障が考えられます。
絶縁不良、電気系統の断線
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉日本ルツボ(株) 溶解炉バーナー メンテナンス
スパークロッドがバーナー本体に接触してしまうと、絶縁不良を起こします。適切なスパークがバーナー内で起こらず火が点きません。また、電気系統の断線も疑われます。
炎監視装置の誤作動
〈「工場改善」データベースより画像を引用〉塗装乾燥炉(バッチ炉)のメンテナンスでお困りの方へ
火がついていないのに、フレームロッドやウルトラビジョン、バーナーコントローラーが不調(誤検知など)を起こしていると、安全装置が働いて動作しないことがあります。
メインバーナーに点火しない(移らない)「不着火」の原因
「種火(パイロットバーナー)は着火した。でも、その後のメインバーナーに火が移らず止まってしまう」というケースです。
パイロットバーナーの不着火の原因と共通する部分も多いですが、その他の原因も考えられます。
種火(パイロット)の状態が不安定
メインバーナーに着火するためには、種火が「安定」しているという信号が必要です。
フレーム電流値の不安定
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)横井機械 パイロットガスバーナ メンテナンス
パイロットバーナーの燃焼状態が悪く、フレーム電流値が不安定だったり低下していると、安全のためメインバーナーの燃焼を開始する段階へ進みません。
メインバーナー用機器の故障・不備
電磁弁・バルブの異常
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)加藤鉄工バーナー製作所 ダクトバーナー メンテナンス
メインバーナー用の電磁弁の故障や、単純にメインバーナー用のガスバルブが開いていないこと(開け忘れ)があります。
コントロールモーター・調整器の不良
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)横井機械工作所 低圧ベロシティガスバーナー メンテナンス
炎の強さや勢いを調整するコントロールモーターが動かない、調整器が故障しているなどの原因で、ガスと空気の供給が増やせない状態です。
その他の要因
ドレンの蓄積
〈ガロプロ工業炉メンテより画像を引用〉(株)横井機械工作所 低圧ベロシティガスバーナー メンテナンス
配管内に結露などのガス不純物(ドレン)が溜まり、ガスや空気の流れを阻害していることがあります。
制御盤のトラブル
制御盤内の部品(リレーやタイマー)の劣化や不具合によって適切な動作をせず不着火となるケースです。
まとめ:不着火の原因見極めは「音」と「バルブ」の確認から
不着火の場合、まずは「火花(スパーク)の音はするか?」「ガスの元栓は開いているか?」といった基本の確認が重要です。特にメインバーナーへ燃焼が移行しない場合は、パイロットバーナー(種火)の燃焼状態(フレーム電流値)がカギとなります。どうしても復旧しない、少しでも不安に感じるようであれば専門業者へご相談ください。
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